気になる一冊
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一日中何かしているのに、なぜ満たされないのか?『暇と退屈の倫理学』

メモ屋
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忙しかったのに、なぜか一日が薄い

夜。

スマホを置きます。

仕事もした。

SNSも見た。

動画も見た。

ゲームもした。

かなり忙しい一日です。

なのに、

ふと思います。

「今日、何してたんだろう…」

著者・國分功一郎さんの
『暇と退屈の倫理学』では、

「暇」「退屈」を分けて考えます。

暇は、

やることがない時間。

退屈は、

何か足りない感じ。

つまり人は、

忙しいまま退屈することがあります。

予定は埋まっているのに、

なぜか心だけ空席です。

※本記事は、書籍の内容をもとに筆者の個人的な感想や解釈を交えて紹介しています。詳しい内容については実際の書籍をご確認ください。

欲しいのは、ウサギではありません

朝。

男性が出かけようとしています。

「どこ行くの?」

「ウサギ狩り」

友人が言います。

「じゃあウサギあげようか?」

でも、

たぶん断ります。

欲しいのは、

ウサギだけではないからです。

17世紀の哲学者・パスカル氏は、

人は退屈を避けるため、

「気晴らし」を求めると考えました。

探す。

追う。

捕まるか分からない。

その時間が楽しい。

ゲームも、

最初から全部そろっていたら、

たぶんすぐ飽きます。

欲しいものより、追いかけている時間の方が長く楽しめるのです。

見つけても、また次を探す

スマホを開きます。

動画を一本見る。

下に、

次の動画が出ます。

「これも面白そう」

もう一本。

その次も一本。

気づけば、

かなり時間がたっています。

買い物も似ています。

新しい服。

新しい店。

新しい話題。

見つけた瞬間は楽しい。

でも、

少したつと、

また次が気になります。

欲しかったものを手に入れても、すぐ次が欲しくなる。

どうやら僕たちは、

ゴールを探しているというより、

ずっとスタート地点を増やしているようです。

たくさん買うより、一つを楽しむ

靴屋で、

30万円の革靴を見ます。

「高いなあ……」

それでも買う。

手入れをして、

何年も履く。

革の色も、

傷も、

少しずつ変わっていきます。

一方で、

安い靴を毎年買い替える人もいます。

この本では、

前者を「浪費」

後者を「消費」と考えます。

少し変な感じがします。

でも違いは単純です。

一つを長く味わうか。

次々に新しいものを欲しがるか。

30万円でも、

何年も楽しめるなら、

かなり長持ちする楽しみです。

楽しむのにも、少し練習がいる

同じ映画を見ても、

感想は違います。

ある人は、

「普通だった」

で終わります。

でも映画好きなら、

俳優の表情。

音。

カメラ。

前の作品との違い。

いろいろ見つけます。

料理も同じです。

最初は、

「おいしい」

だけ。

少し知ると、

香りや食感まで面白くなる。

楽しみを増やすには、

新しいものを探すだけでなく、

今あるものから、前より多く受け取れるようになる方法もあります。

世界が変わるというより、

見る側の解像度が少し上がる感じです。

最後に

夜。

またスマホを開きます。

新しい動画。

新しい投稿。

新しい話題。

次を探せば、

たしかに退屈は少しまぎれます。

でも、

それだけでは終わりません。

また次が必要になります。

だったら、

ずっと新しいものを探すより、

今あるものを、

少し面白く見られる方が楽です。

同じ映画。

同じ料理。

同じ休日。

前より少し楽しめる。

それなら、

退屈は完全に消えなくても、

前ほど困らないのかもしれません。

退屈をなくすより、退屈が入り込む隙を少し減らす。

そのくらいが、

ちょうどよさそうです。

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