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なぜ仕事が終わっても帰れないのか?――夜10時まで残業していた男性が、残業をやめても困らなかった話

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仕事は終わった。でも帰れない

午後6時。

男性がパソコンを閉じようとします。

「よし、今日は早く帰れるな」

ところが、隣の先輩はまだ仕事中。

上司もパソコンに向かっています。

「……もう少し何かやるか」

男性は、閉じかけたパソコンを開きました。

明日でもいい資料を見直し、メールを整理します。

気づけば午後9時。

「あれ? 俺、何でまだいるんだ?」

仕事が終わっているのに帰れない。

こんな不思議なことが、職場では当たり前のように起きています。

※本記事は、書籍の内容をもとに筆者の個人的な感想や解釈を交えて紹介しています。詳しい内容については実際の書籍をご確認ください。

夜10時まで残業していた人の話

実は、似た経験をした人がいます。

公認心理師の片田智也さんです。

著書『職場ですり減らないための34の「やめる」』で、社会人1年目の頃を振り返っています。

当時は、夜10時より早く帰ることがほとんどありませんでした。

理由は、仕事が終わらないからではありません。

先輩や上司が残っていたからです。

周りが働いているのに、自分だけ帰りにくい。

そこで、わざわざ仕事を探していたそうです。

ところが2年目。

片田さんは残業をやめました。

その結果、どうなったのでしょうか?

やめても、何も変わらなかった

普通なら心配になります。

「早く帰ったら、仕事の成績が落ちるんじゃないか?」

ところが、片田さんの営業成績は落ちなかったそうです。

夜10時まで残っていたのに、残業をやめても成果は変わらない。

つまり、それまでの残業には、必ずしも必要でない仕事が含まれていたと考えられます。

本書が勧めるのは、

「しなくていい仕事を、やめる」

という考え方です。

頑張ることをやめるのではありません。

頑張る必要のないところで、頑張りすぎないことなのです。

仕事は、勝手に増えていく?

例えば、資料作成を頼まれた男性。

「30分あれば終わるな」

ところが、締め切りまでは2時間あります。

「せっかくだし、見た目も整えるか」

文字を大きくします。

色を変えます。

また元に戻します。

気づけば2時間。

「よし、完璧だ!」

でも、資料の内容は30分前とほぼ同じです。

これは、仕事が与えられた時間いっぱいまで膨らみやすいという「パーキンソンの法則」を思わせる場面です。

仕事そのものが増えたわけではありません。

仕事に使う時間を、自分で増やしていたのです。

その仕事、やらなかったら困る?

では、どうすればいいのでしょうか?

例えば、完成した資料をもう一度修正したくなったとき。

少し考えてみます。

「これ、直さなかったら誰か困るかな?」

数字が間違っているなら、直す必要があります。

説明が分かりにくいなら、改善した方がいいでしょう。

でも、何度も色を変える必要はあるでしょうか?

大切なのは、手を抜くことではありません。

必要な仕事と、何となく続けている仕事を区別することです。

もちろん、残業や仕事量を自分だけで決められない職場もあります。

それでも、必要性や優先順位を確認することは、仕事を見直すきっかけになります。

最後に

残業するための仕事

午後6時。

男性が帰り支度をしています。

そこへ上司がやってきました。

上司「お、もう帰るのか?」

男性「はい。仕事が終わりましたので」

上司「でも、みんなまだ残ってるぞ」

男性が周囲を見渡します。

男性「皆さん、そんなに仕事があるんですか?」

上司「いや、何かやることがないか探してるんだ」

男性は少し考えました。

男性「じゃあ、仕事を探す仕事をしてるんですね」

上司はうなずきます。

上司「そうだ。これが結構忙しいんだ」

仕事が終わっているのに、帰るためには勇気がいる。

そんな職場では、必要のない仕事まで増えてしまいます。

もちろん、忙しい同僚を助けるために残ることもあるでしょう。

でも、ただ周りに合わせるためだけなら、無理に仕事を増やす必要はありません。

大切なのは、長く働くことではなく、必要な仕事を終わらせること。

その違いを忘れてしまうと、いつか会社には、こんな仕事が生まれるかもしれません。

「残業時間を減らすための、残業対策会議」

もちろん、開催時間は定時後です。

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